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校長あいさつ

2008年10月01日
子ほめ ―土の中には見えないけれどいつもいっぱい種がある―
 10月に入り、5年生がバケツで育てている稲も順調に金色の穂をつけ、一粒の稲モミからこんなに多くの実になることを驚きとともに毎日の観察を続けています。4年生の畑に植えたひょうたんは、長いつると葉っぱの間にとてもよい形の実をつけています。一年生の育てたあさがおも、つるを巻き、リースに形を変えて教室に飾られています。学校のあちらこちらで、実りの秋を向かえています。
 いよいよ前期が終了します。子どもたち一人ひとりが前期に努力したことやその成果等を「あゆみ」でお知らせします。子どもは叱って育てるのか、褒めてそだてるのか、それとも「アメとムチ」の考えで「叱って褒めて」育てるのか。子どもに適したバランスで、叱ったり褒めたりするのが最良というのはわかっていることなのですが。
 親に愛情をたっぷり与えられて育った子どもは、大人になったとき他人を信じるところから人とつきあい始め、親の愛情に不安をもって育った子どもは、他人を疑うところからつきあい始めると聞いたことがあります。たっぷりの愛情をもって「あゆみ」について、子どもと話し合ってくださるように期待します。
 なお、今年度から「あゆみ」の形が変わります。詳細については別に通知しますから、確認をお願い致します。
 10月は、読書週間も計画されています。本は主人公という他人の気持ちになりきって読み、ドキドキ、はらはらしたり、ほっとしたりします。狐のずるい気持ちも、パン屋さんの苦労する気持ちも主人公になりきるから分かるのです。つまり、読んだ本の数だけ、他人の気持ちを疑似体験しているのです。本をたくさん読んでいる子が豊かに感情表現ができたり友達の気持ちを理解できたりするのは、この疑似体験が生きているからではないでしょうか。子どもたちの心は土の中と同じで外からは見えません。でも、「土の中には見えないけれどいつもいっぱい種がある」のです。いつかは芽が出て成長するのです。その芽を見逃さずに、成長を見守りたいと考えます。
 「土の中には見えないけれどいつもいっぱい種がある」この言葉は、金の星社「原田大助詩集」から引用させていただきました。                                        校長 渡邉美惠子
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