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校長あいさつ

2009年04月08日
平成21年度の始まりに〜「啐啄同時」ということ〜
 4月。命あるものすべてがじっと冬の寒さに耐えながらこの時を待っていました。生命の蘇りが私たちにも大きなエネルギーをわけてくれているようです。
 初めまして。今年度より安東小学校にお世話になる校長の豊田と申します。伝統ある安東にどれだけの風を吹かせることができるのか、自分なりにできることを丁寧にがんばっていきたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。

 学校教育目標、重点目標等につきましては、過日紙面にてお伝えをしたとおりですが、私は、その根底に「楽しい学校」「安心感のある学校」「達成感のある学校」をめざすということを考えています。
 「今日も学校は楽しかったなあ。」「先生やお友だちはお話をよく聞いてくれてうれしいな。」「苦しかったけれど、こんなことができるようになった。私ってまんざらでもないよね。」そんな声が子どもたちから聞こえてきたらこんなうれしいことはありません。
全職員一丸となってがんばります。そして、このことは保護者の皆様のご理解とご協力なしでは願いは達成されません。ぜひお力をお貸しください。
 願い達成につながる、そして教育の原点ともなるお話をひとつしたいと思います。
 キーワードは「啐啄同時」(そったくどうじ)という言葉です。「啐啄同時」というのはひな鳥が卵からかえるとき、殻を内側から破る音(啐)に応えて、親鳥が外から助けて同時につついてやる(啄)という意味です。子育ての妙がここにあるという気がしてなりません。
 「知ってみたい」「やってみたい」「できるようになりたい」という子どもからの「啐」に、適切に支援の手を差し伸べる「啄」があれば、きっと子どもは意欲をもって学びをつくっていくのではないかと思います。
 学校では、授業に限らず生活の様々な場面で「啐啄同時」が求められます。大いに子どもたちの「啐」を感じ取り、大いに「啄」で応えていきたいと思っています。そのことが、「楽しさ」「安心感」「達成感」を生み出す元になってくれることを願います。
 また、このことは、家庭でも通じることだと考えます。あわただしく過ぎていく毎日の中で、ともすると気づかずに通りすぎてしまう「子どもからの思い」(啐)を感じ取り、適切に親としてできることで応えてあげること(啄)が、子どもの安定した毎日を生み出すのではないかと考えます。
 「啐啄同時」とは、とりもなおさず、信頼が基盤となって成立することなのです。学校でも家庭でも、愛に裏付けられた信頼関係の中で毎日が送れることを願ってこの1年歩んでいきたいと思います。

 校長 豊田 公敏
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