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校長あいさつ

2010年03月01日
夢に向かって一途に駆ける
 早いもので、今年度の学校だよりも最終号となりました。この1年、「生きること、かかわること、育てること」を基本テーマに私なりの思いを書かせていただきました。一つでも参考になることがあったとしたら嬉しいのですが・・・・。
 さて、バンク―バ―オリンピックが終わろうとしています。私は、夏、冬問わずオリンピックが大好きです。メダルの数に興味があるわけではなく、毎回、オリンピックの中に人生の縮図のようなものが見え隠れして、そこから感動をもらったり、勉強させられることが多くあったりするからです。
 先日の新聞にも、フィギアスケートの鈴木明子選手の話が載っていました。摂食障害から立ち直って見事代表になったのはご存じのとおりだと思いますが、コーチの長久保さんが胃ガンの手術を乗り越えて共に晴れの舞台に立ったという話は初耳でした。手術を終えベッドにいる長久保コーチに「選手を放っておいて、長いこと休んでいる場合じゃないでしょ」と鈴木さんは言ったそうです。これほどの力強い励ましはないと私は思いました。師弟の間柄を超え、人間同士の信頼の深さを知りました。
 カナダにアイスダンスで初めて金メダルをもたらしたバーチュー・モイヤー組の、バーチューの談話、「長い旅路だった。喜んだり、落ち込んだり、何かを犠牲にしたこともあったけど、幸運だったわ。」この談話から、幾多の障害を乗り越え、二人で、いや多くの支えでここまで来ることができたという深い達成感と安堵感を感じました。そんな数々の感動の裏で、ハーフパイプの国母選手の騒動は、教育に携わる者として考えさせられる出来事の一つでした。

 日本人選手の誰もが、「多くの人に支えられてここまで来ることができた。」と感謝の気持ちを表します。そして、結果が出ないときには「期待に応えられずに申し訳ありませんでした。」と謝罪の言葉を口にします。苦労を乗り越えた、そして責任の重さを感じている彼らだからこその心からの言葉なのだと思います。しかし、立場を変えれば、彼らがいたからこそ、勇気をもらい、元気をもらい、人生のやり直しができた人々も実はたくさんいるのではないかとも思います。人の生き様は、常に「支え、支えられている」ということや夢をあきらめずに努力することの尊さなど彼らの言葉から改めて確認することができました。様々に大切なものを伝えてくれた彼らから、謝罪の言葉など必要はないと私は思っています。

 私たちとは全く違う、遠い世界の一部の人の祭典とみる人もいるでしょう。しかし、その世界で生きる一人ひとりの生き様は、「まんざらでもない自分」を信じて、決してあきらめず、夢に向かって一途に駆け抜けるという意味で、まさしく私たち一人ひとりの生き様を示唆してくれているのだと思います。オリンピックは、私にとっては偉大なる教科書なのです。

 最後になりましたが、本年度、皆様の熱いご支援に対し心からお礼申し上げます。夢に向かって駆ける、学校もその思いを抱きながら来年度も歩みを進めていけたらと思っています。

 校長 豊田公敏
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