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校長あいさつ

2010年12月07日
つなぐ
 12月、1年間の締めくくりをする月に入りました。この1年は皆様にとってどんな年であったでしょうか。つらかったこと、悲しかったこと、嬉しかったこと、楽しかったこと、様々なことがこの1年を形作ったのではないでしょうか。それら一つ一つをどう自分の中に納めて2010年とお別れをするか、この1年の自分史を振り返ってみるのも悪くないと思います。

 12月3日、第44回研究会が開催されました。北は北海道から南は長崎まで600余名の先生方をお迎えして、安東小の授業を見ていただきました。子どもたちも気負うこともなく自然体で授業に臨んでくれました。参観者の皆さんからも子どもたちへの賞賛の声を多くいただきました。
 この研究会が大きなトラブルに見舞われることなく無事に終了できたのは、PTAの方々のご協力があったからこそと深く感謝しております。多くの方々がそれぞれのポジションで臨機応変に動いて下さり、また、温かく接していただいたおもてなしの心は、全国からはるばるお見えになった方々の心にきっと深く染み渡ったと確信しております。
 「PTAの方があんなにもたくさん協力して下さるのですね。子どもたちの元気、パワーの源は学校だけでなく、家庭、地域の力も大きいのですね。」
 「PTAの方々の挨拶や誠実な振る舞いに感動いたしました。」
参加してくださった方々からこんな声を聴くと本当に嬉しくなります。
 
 全国からお見えになった方々が、安東小の子どもを媒介にしてお互いに出会い、そして「授業」という1点で結ばれる、そのことがまたそれぞれの地に帰ってからも話題となり、「安東小の子どもたち」が全国の学校で、全国の教師の中で生き続けるとしたらこんなに素晴らしいことはないと思います。一つの実践が人の心によってつながれていくことのよさを改めて実感しています。
 安東小の研究を44年間に亘りご指導してくださった上田 薫先生をお招きしての研究会は今年が最後となります。44年の間、この研究会が多くの教員の手(心)でつながれてきたことに感慨深いものがあります。様々な苦難を乗り越えてこの44年があったことは間違いありません。それらを受け止め、どういう形でこれからにつないでいくのか大きな課題が投げかけられているのもまた事実です。「つなぐ」ということの重さをひしひしと感じているところです。

 人と人をつなぐ、営みをつなぐ、心をつなぐ。人間関係が希薄になり、個人主義が大きく頭をもたげている現代社会において、この「つなぐ」という言葉には計り知れないほどの重みがあると感じています。「つなぐ」ことができるのは、おそらくそこにかかわっている人の愛と勇気によるものだと思います。そして、その愛や勇気は人の思いに寄り添うことや、自身の確固たる志や夢から生まれてくるのではないかと思います。
 「人生意気に感ず、功名誰かまた論ぜん」という言葉があります。考え方や行動に共感し、金や地位など私利私欲に囚われず、その人のために尽くすという意味だと解釈しています。
 「よっしゃ、まかせとき。あんたのその考えに惚れたよ。私も手伝わせてもらうよ。」
 こういう心意気が「つなぐ」という形になっていくのではないかと思います。こういうセリフ、私にはとても新鮮で心地よく聞こえます。

 校長 豊田公敏
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