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校長あいさつ

2011年01月07日
つなぐ その二
 新しい年が始まりました。ご家庭では、今年はどんな願いのもとに新年をスタートさせましたか。景気がいっこうに回復せず、お正月といっても元気が出ないという方もおいでかもしれません。それでも学校は軸足をしっかりと据えて子どもの成長を支えていきたいと考えています。職員一丸となって、3月までの3ヵ月、そして、4月からの23年度を頑張っていく所存です。ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
 
 学校はどう1日を形作り、それを1年間つなげていくのか、この3ヵ月は、来年度の具体的な形をつくる重要な時期となります。その営みの基盤は、あくまでも安東小の子どもの実態に合わせた具体策が練られるということです。ご協力いただいた保護者アンケートや子どもからのアンケートが本校の実態を把握する大きな資料になります。安東小の子どもに合った安東小の子どものための教育課程を組めたらいいなと思っています。
 そして今年の干支「兎」のようにここぞと言うときには思い切ってジャンプをしたいものです。急激な変化の中でも、見落としなく、確実に歩みを進めることと、挑戦心をもって飛躍することとのバランスをうまくとっていくことが大切ではないかと考えています。

 それにしても、親子、家族、仲間との絆、人と人とのつながりの在り方を考えさせられる出来事が昨年もたくさん発生しました。「無縁社会」、家族ならぬ「孤族」などという言葉が新聞紙上等を賑わしていることの現実が、今の日本社会を象徴している気がします。

 昨年12月の学校だよりで、人と人を、あるいは営みを「つなぐ」ことができるのは、そこにかかわっている人の愛と勇気によるのではないかと書かせていただきました。
 元旦の朝日新聞「天声人語」に小学5年の女の子の詩が紹介されていました。
<あたたかいこたつ 家の家族は5人 「五角のこたつならいいなあ」と、おねえさん
1番あとからはいる かあちゃんは 私と同じ所 私はやっぱり四角でもいい>
 この詩を読んだとき、なんて温かい愛がここにはあるのだろうと胸が熱くなりました。狭い窮屈な空間の中にも、愛は確かにあるのだということを、この5年生の女の子が教えてくれた気がします。「天声人語」の中にも、<便利と快適は幸せとは同義ではない>という言葉がありました。確かに、便利さと快適さを追い求めてきたその裏で、人と人をつなぐ営みをおろそかにしてしまったという事実は残念ながら否定できないと思います。

 このお正月、子どもたちはどんな温かい愛につつまれたのでしょう。その愛こそがこの1年の営みを、そして子どもたちの幸せをつなぐ原動力になることを信じたいと思います。

 校長 豊田公敏
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