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校長あいさつ

2012年07月02日
「大事にする」「大切にしたい」なら「加」だけでなく「減」も必要
 梅雨に入って雨模様の日が続いている朝、一年生の子が傘をさして、一鉢栽培のアサガオに水をあげていました。その子に何と声をかけたらよいか、かけぬままがよいか、しばし迷ったことがあります。
 『朝、学校に来たらアサガオに水をあげる』のめあてをしっかり守っている生真面目さが見て取れます。『毎日水をあげること』が自分のアサガオを大事にし、大切に育てることだという信念も感じられます。もしかしたら、雨の水と自分があげるペットボトルの水は違うと考えているかも知れません。
そんな一年生に、「雨が降っている日は水をあげなくてもいいよ。」と話しかけて、「なぜ?」と聞かれたら・・・。「雨が降っている時に水をあげても無駄だから。」と、一年生の行為と価値観を否定することになってしまってよいものか?
 毎日やることになっている水かけを忘れるような『いい加減』なことはせず、アサガオの葉が黄ばんで、たくさんの種をつけるまで、きっとこの子は水やりを欠かすことなく続け、その時々のアサガオの生長に喜びを感じることができるでしょう。ただ、水やりには『いい(良い)加減』が必要なことを、まだ知らないのです。
 植物を丈夫に大きく育てるために、意図的に灌水量を減らし、根の生長を促す手法をとることがよくあります。いわゆる雑草が頑強なのもこれが一因です。常に水が供給されている土壌環境では、根の張りは貧弱なままです。この一年生には、「アサガオを大切にする=毎日の水やり」の方程式はありますが、「アサガオを大切にする=水を断つ」の発想はありません。水不足で枯らしてしまう心配はなくても、大切にしているアサガオを、丈夫に大きく育てられるかはかなり心配になります。
「アサガオが『のどが渇いた。』と言ったら水をたっぷりやろう。」アサガオと毎日対話しながら、観察しながら、水やりを『加・減』できること。それがアサガオを丈夫に大きく育てる秘訣=大事に大切することです。それはとても難易度の高い「きこう みよう そこから考えよう」ですが、その分、立派に育ったアサガオの花の大きさや数、種の多さが喜びとなり、『大事にすること』『大切にすること』の本当の有り様を認識するのではないでしょうか。                       
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